きものQ&A
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着物の種類
着物にも種類はイロイロあって、振袖・留袖・訪問着・紬に小紋etc...TPOで変わります。
お洒落着物からフォーマル着物まで、ご紹介!
1.留袖
黒留袖はミセス-既婚女性-の第一礼装で、両胸、背、両外袖の5カ所に代々伝わる家紋を染め抜き、裾模様を付けた祝儀のための着物です。紋の数で着用範囲が広がります。
色留袖は未婚者も着られる祝儀用の第一礼装です。
2.振袖
袖の長い振袖は未婚女性の第一礼装です。袖丈は数種類あり、袖丈が長いほど格調高く改まった感じになります。大振袖は花嫁衣裳、振袖は花嫁のお色直しや成人式、謝恩会、新年会、結婚披露宴、中振袖は初釜やパーティー、軽い晴れ着感覚の小振袖は茶会、気軽なパーティー、外出着に最適です。
3.訪問着
訪問着は昼間の第一礼装で、社交着として幅広く着られ、紋を付ければ準礼装にもなります。また訪問着には未婚、既婚の区別はありません。
4.付け下げ
付け下げは訪問着の代わりに着ることができる社交用の着物です。訪問着より模様が少なく、華やかさに欠けますが、茶着物として重宝されています。
5.小紋
小紋は訪問着や付け下げよりはカジュアルに、ちょっとしたオシャレをしたい時に重宝します。例えば、初詣、クラス会、日曜の外出、仲間との食事などに向いている着物です。
6.色無地
色無地は用途によって着分けることができる利用範囲の広い着物です。紋を付けると格式が高い装いになり、帯を替えればオシャレにもなる便利な着物です。
ママ振り
新しい流行モノの振袖はもちろん素敵ですが、タンスに眠っている素晴らしい、
想いのたくさん詰まっている、お母さんの振袖も、着方によればもちろん素敵に着こなせます。
- お母さんの振袖を着ることはできる?
- 振袖は洋服ほどサイズが厳密ではありません。そのため、多少体型が違っていてもキレイに着こなすことができます。
また、古典柄などは流行に左右されることもなく、昔に作られたものでも現在の振袖に見劣りすることはありません。
- お母さんの振袖で気をつけるポイントは?
- 振袖の状態とサイズ、そして小物がそろっているか確認しておきましょう。
【振袖の状態】
定期的なお手入れをしていてもカビが生えていたり、シミができている場合もあります。汚れがないか念入りにチェックしましょう。
【サイズ】
お母様との身長差が5cm以上ある場合は仕立て直しをした方がいい場合があります。事前に試着し、サイズを確認しておきましょう。
- お母さんの振袖をアレンジすることはできる?
- できます。
着物のリフォーム方法として、主に洗い張り、仕立て直し、染め替え(染め直し)があります。
リフォームを施すことによって、より自分好みに近づけることができますが、場合によっては数カ月ほどかかる場合もあるため、早めに準備を始めましょう。
【洗い張り】
サイズ直しの必要、生地の傷みがほとんどない場合の、一番簡単なリフォーム方法です。着物の糸を解いて反物の状態にし、水洗いした後、糊付けをします。絹は水洗いするたびに生き返り、もとの張りと光沢を取り戻します。柄付けによっては、生地の前後左右を入れ替えるなど、着物の雰囲気を変えることもできます。
【仕立て直し】
サイズが合わない場合に丈を調整するリフォームです。この際、全く同じように縫い直す必要はなく、落ちないシミを見えない部分に移動するなども可能です。
【染め替え(染め直し)】
着物の地色を変えるリフォームです。少し地味な印象の振袖を華やかに、派手めのものをシックな雰囲気にすることができます。刺繍などで模様をプラスすることも可能。
着物の手入れ方法
- 振袖を着たら、すぐに収納してもいいの?
- いいえ。
一度着た振袖は、汗などで多くの湿気を含んでいます。脱いですぐに収納すると、カビや黄ばみ、縮みの原因となってしまいます。ひと晩ほど陰干しして湿気をとり、お天気の良い乾燥した日に収納します。
振袖だけではなく、袋帯、長襦袢、帯揚げなどの小物類も一緒に干しましょう。
- 振袖のお手入れって難しそうだけどどうしたらいいの?
- ポイントを押さえておくと難しいことはありません。どうしても避けたいのは湿気と日光です。
【湿気】
湿気はカビが発生する原因となります。和タンスがあれば理想的ですが、ない場合は定期的に収納ケースのフタを開け放つようにしましょう。
【日光】
窓辺など日の当たるところに置いておくことはもってのほかです。着た後に汗を乾かす場合もかける場所は必ず日陰を選びます。
- もしも汚してしまったら?
- 小さな汚れでも自分で落とそうとしないことです。かえって汚れを広げてしまうことがあるため、汚れた時のままの状態で着物のプロスタッフに任せましょう。その際、汚れの原因を伝えるとスムーズです。
- 虫干しってなに?
- 虫やカビのつくのを防ぐために衣類を干したり風に当てたりすることです。着物は、以下の方法ですることが最適です。
【天気】
晴れの日が2~3日続いている天気のいい日。
【時期】
7月下旬~8月下旬、10月下旬~11月下旬、1月下旬~2月下旬は比較的湿度が低く虫干しに適した時期です。
【時間】
午前10時~午後3時頃
【方法】
日の当たらない、風通しの良い場所を選んで干します。
- 虫干しができない場合はどうしたらいいの?
- 天気が良く、乾燥した日に引き出しやクローゼットを数時間開け放します。また、着物の入れる順番を替えるだけでも湿気を防ぐ効果があります。
着物のカラー
着物に使われる色は、日本の移ろいゆく季節の中で育まれた草や花、
そして風景から生まれました。
赤系
生きていく根源である「陽、火、血」をイメージする神聖な色とされてきました。平安時代には日常から離れた聖域の建物や祭器に使われ、一般には着用が禁止されていたため、人々の憧れが強い色となりました。
※朱色/桜色/猩々緋(しょうじょうひ)/紅色/橙色/臙脂(えんじ)色
紫系
聖徳太子が定めた冠位の中でも最上位の地位を象徴したように特別な意味を持つ色でした。平安時代になると、さらに賛美されるようになり気品や風格、艶やかさを備えた色として尊ばれました。
※紫色/藤色/滅紫(けしむらさき)/葡萄(えび)色/二藍(ふたあい)/菫(すみれ)色
緑系
自然界にある緑の草木は時間の経過とともに変色してしまうため、染料としては適さず、藍と黄をかけあわせて作られてきました。奥深い融合の色合いを出し、現在でも情緒的な色目として用いられます。
※萌黄色/柳色/若竹色/海松色/常磐色/木賊(とくさ)色
茶系
自然界では土の色に代表され、万物の根底にあり静かで不可欠な色目として包容力を示します。江戸時代には庶民の間での流行色となり多くの色名が作られました。
※香色/胡桃色/路考茶/柿渋色/団十郎茶/檜皮色
青系
衣服の青は藍の葉の色素で染められ、その土地によって違った種類の藍が使われてきました。古くは聖徳太子の時代まで遡り、冠位十二階で定められた青にも藍染めの衣装が使われていました。空・海・水を連想させる青は大衆にとっても身近な色でした。
※藍色/青鈍(あおにび)/納戸色/甕覗(かめのぞき)/空色/水色
黄系
光を表す色であり、輝く光を浴びると金色になることから聖なる域を示す富や権力の象徴とされました。季節の彩りを大切にした王朝人に愛され、平安時代に始まった女性の重ね着の配色美「襲色目(かさねいろめ)」に欠かせない色のひとつでした。
※山吹色/刈安(かりやす)色/鬱金(うこん)色/黄檗(きはだ)色/芥子(からし)色/朽葉(くちば)色
着物の模様
植物、道具、器具など具体的な物をモチーフにした具象文様のほか、
円形、三角形など幾何学図形を使った抽象文様に大きく分けられます。
具象文様
桜
振袖の柄としては人気がある文様のひとつです。桜の季節に限らず、年間を通して身につけられるようになってきています。平安時代頃からの人気文様で、小桜、枝垂桜などにアレンジされて親しまれています。
菊
美しさと高貴な香りから、邪気を払う縁起物として尊ばれてきました。日本に伝わった奈良時代から、宮中行事で欠かせない花となっています。皇室の紋章となったのは、鳥羽上皇が初めて菊の装束を着たためと言われています。
椿
古来から、悪霊を払う力があると考えられ、春を告げる聖なる木として好まれてきました。着物の文様としては、吉祥の意味もこめられています。
牡丹
百花の王とされ、幸福、富貴、高貴、豪華さをあらわします。特に、牡丹と唐草を組み合わせた牡丹唐草文様は室町時代から近世まで、唐草を代表する文様として人気でした。
楓もみじ
楓が紅葉するともみじになります。また、蛙の手に似ていることから「蛙手」と呼ばれ、蛙は「還る」に通じます。60年生きて再び生まれた年の干支に還ることを還暦というように、楓は長寿をあらわします。また。季節によって色を変え人を喜ばせてくれるため、世渡りがうまく幸福になれるともいわれます。
抽象文様
立湧
水蒸気が湧いて昇っていく様子を文様としたとされています。天に自分の気持ちが昇ることをあらわします。ふくらんだ部分に、菊や雲などの文様を詰めた文様もあり、花立湧、雲立湧などと呼びます。奈良時代から用いられてきました。
亀甲
正六角形の亀の甲に似ていることから亀甲と呼ばれています。もともと、西アジアで起こり、中国や日本に伝わったとされています。平安時代に定着したおめでたい文様の代表格。組み合わせやすいため、さまざまな変形の文様があります。
雪輪
雪の結晶の六角形を円形に描いた文様です。桃山時代の能装束によく見られ、雪輪の中に花模様を詰めることもあります。吉祥文様として振袖のほか、留袖、小紋、帯など幅広く使われます。
麻の葉
六角形を基礎にし、麻の葉に似ているところに由来します。平安時代、仏像の切金文様の中や、鎌倉・室町時代に刺繍によって仏像や菩薩をあらわしたものの中にも見られました。
菱
植物の「ヒシ」から名づけられました。奈良時代から用いられていたことは正倉院の宝物の中からもうかがえます。平安時代には有職文様として平安貴族の中で流行していたとされ、絵巻物にその文様が描かれています。
七宝
円形は円満をあらわす、吉祥文様のひとつ。七宝とは仏教でいう七つの宝をさし、類をみない美しい文様という意味で七宝文様と名づけられました。同じ大きさの円の円周を4分の1ずつ重ねて繋いだ文様で、円の中に花を入れて用いることもあります。